2026年3月2日月曜日

物語に少し救われる

うまくいかない日というのは、
だいたい突然やってくる。
特別な事件があるわけじゃない。
でもなんとなく、心が重い。

そんな夜、本を開く。
理由は特にない。
ただ、誰かの話を聞きたくなる。
自分以外の人生を、少しだけのぞきたくなる。

物語の中の主人公も、たいてい迷っている。
失敗もするし、遠回りもする。
「あ、わかる」と思った瞬間、
少し肩の力が抜ける。

自分だけが不器用なんじゃない。
世界中の誰かも、ページの中でつまずいている。
それだけで、ちょっと救われる。

たまに、やけに立派な名言が出てくる。
そのまま受け取るには少し眩しい。
でも数日後、ふと思い出す。
じわじわ効いてくる。
物語の言葉は、遅れて効くタイプだ。

もちろん、現実はすぐには変わらない。
読んだからといって、
明日いきなり完璧な人にはなれない。
そこはちゃんと現実的。

でもページを閉じたあと、
少しだけ呼吸が深くなっている。
「まあ、なんとかなるかも」と思えている。
この“かも”が大事。

物語は、問題を解決してくれるわけじゃない。
でも隣に座ってくれる。
黙って、静かに。
それがありがたい。

今日もまた、
誰かの物語に少し救われる。
大げさじゃなくていい。
ほんの少しで、十分だから。

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