うまくいかない日というのは、
だいたい突然やってくる。
特別な事件があるわけじゃない。
でもなんとなく、心が重い。
そんな夜、本を開く。
理由は特にない。
ただ、誰かの話を聞きたくなる。
自分以外の人生を、少しだけのぞきたくなる。
物語の中の主人公も、たいてい迷っている。
失敗もするし、遠回りもする。
「あ、わかる」と思った瞬間、
少し肩の力が抜ける。
自分だけが不器用なんじゃない。
世界中の誰かも、ページの中でつまずいている。
それだけで、ちょっと救われる。
たまに、やけに立派な名言が出てくる。
そのまま受け取るには少し眩しい。
でも数日後、ふと思い出す。
じわじわ効いてくる。
物語の言葉は、遅れて効くタイプだ。
もちろん、現実はすぐには変わらない。
読んだからといって、
明日いきなり完璧な人にはなれない。
そこはちゃんと現実的。
でもページを閉じたあと、
少しだけ呼吸が深くなっている。
「まあ、なんとかなるかも」と思えている。
この“かも”が大事。
物語は、問題を解決してくれるわけじゃない。
でも隣に座ってくれる。
黙って、静かに。
それがありがたい。
今日もまた、
誰かの物語に少し救われる。
大げさじゃなくていい。
ほんの少しで、十分だから。
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