2026年3月26日木曜日
男の子が見た夢シリーズ ⑥ 地底人との対決でちびっこ龍がでてきた話
前回、男の子は地底の奥深くで、エイリアンのような地底人たちと遭遇した。
不気味に光る目、言葉の通じない気配、そして逃げ場のない空間。
怖くなかったわけではない。
それでも、男の子は立ち止まらなかった。
——戦おう。
そう決意したものの、どうやって戦えばいいのか分からない。
手には何もなく、頼れるものもない。
そのとき、ふと心の奥に引っかかるものがあった。
夢の中で見た、あの存在。
背中に乗せてくれた、あの龍。
「……呼んでみよう」
男の子は目を閉じ、静かに龍の姿を思い浮かべた。
大きく、強く、空を裂くように飛ぶあの龍を。
すると——
ぽん、と軽い音とともに現れたのは、
想像とはまるで違う、小さな小さな龍だった。
手のひらに乗りそうなほどの、ちびっこの龍。
「え……?」
戸惑う男の子に、その龍はにこっと笑って言った。
「お父ちゃんには、ここはちょっと狭いからさ」
「代わりに、僕が来たよ」
あまりにも軽やかなその言葉に、思わず力が抜けそうになる。
「でもね、ひとつだけ言っておくよ」
「僕は戦えないから、戦うのは君だよ」
男の子は驚いた。
助けに来てくれたんじゃないのか、と。
すると、ちびっこ龍は少しだけ真面目な顔になって続けた。
「そのかわり、風の力を貸してあげる」
「君なら、大丈夫」
「頑張ってね」
その言葉は、不思議と胸にまっすぐ届いた。
怖さは消えない。
でも、それ以上に、体の奥から何かが湧き上がってくる。
その瞬間、空気がわずかに動いた。
男の子の周りを、やさしい風が包み込む。
一方で——
地底人たちはその様子を見ていた。
そして、にやりと笑った。
まるで、エサが増えたかのように。
その笑い声が、静かな洞窟に響く。
男の子は一歩、前に出た。
小さな龍と、見えない風とともに。
——ここから、本当の対決が始まる。
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