男の子は、また夢を見ました。
前に見た夢のことを、どこかで覚えていたのかもしれません。
夢の中でふと、
「あ、これは夢だ」と気がつきました。
不思議と怖くはなくて、
むしろ少しワクワクしていました。
せっかく夢だとわかったのだから、
何かしてみたい。
そう思った男の子は、
空を飛んでみることにしました。
地面を軽く蹴ると、
体はふわりと浮かび上がり、
そのまま空へと上がっていきます。
風が顔にあたって、
少しくすぐったいような感覚。
でも怖さはなくて、
ただただ気持ちよくて、
どこまでも行けそうな気がしました。
しばらく飛んでいると、
白くて大きな雲が見えてきました。
男の子は思います。
「雲って、のれるのかな?」
少しだけ迷いましたが、
どうせ夢の中です。
思いきって、その雲の上に降りてみることにしました。
足が触れた瞬間、
ふわっと沈むような、でもちゃんと支えられているような、
不思議な感触が広がります。
男の子は、雲の上に立っていました。
見下ろすと、遠くまで景色が広がっていて、
まるで世界の上に立っているみたいでした。
雲はやわらかくて、
少し跳ねると、ぽんっと軽く体が浮きます。
その感覚が面白くて、
何度かぴょんぴょんと跳ねてみました。
風はゆっくりと流れて、
時間もゆっくり進んでいるような気がします。
「これで、いいかも」
男の子は、そう思いました。
空を飛んで、
雲にものって、
やりたかったことは、ちゃんとできました。
満足したその瞬間、
景色が少しずつぼやけていきます。
ああ、夢が終わるんだ。
そう思ったときには、もう遅くて、
男の子はゆっくりと目を覚ましました。
朝の光の中で、
さっきまでいた雲の感触を、
少しだけ思い出そうとしました。
でもそれは、すぐに消えてしまって、
代わりに、やさしい余韻だけが残っていました。
また、あの雲にのれる日は来るのでしょうか。
男の子は少しだけ楽しみにしながら、
新しい一日を始めました。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
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