2026年3月23日月曜日
男の子が見た夢シリーズ ③ 雲にのった話
男の子は、また夢を見ました。
前に見た夢のことを、どこかで覚えていたのかもしれません。
夢の中でふと、
「あ、これは夢だ」と気がつきました。
不思議と怖くはなくて、
むしろ少しワクワクしていました。
せっかく夢だとわかったのだから、
何かしてみたい。
そう思った男の子は、
空を飛んでみることにしました。
地面を軽く蹴ると、
体はふわりと浮かび上がり、
そのまま空へと上がっていきます。
風が顔にあたって、
少しくすぐったいような感覚。
でも怖さはなくて、
ただただ気持ちよくて、
どこまでも行けそうな気がしました。
しばらく飛んでいると、
白くて大きな雲が見えてきました。
男の子は思います。
「雲って、のれるのかな?」
少しだけ迷いましたが、
どうせ夢の中です。
思いきって、その雲の上に降りてみることにしました。
足が触れた瞬間、
ふわっと沈むような、でもちゃんと支えられているような、
不思議な感触が広がります。
男の子は、雲の上に立っていました。
見下ろすと、遠くまで景色が広がっていて、
まるで世界の上に立っているみたいでした。
雲はやわらかくて、
少し跳ねると、ぽんっと軽く体が浮きます。
その感覚が面白くて、
何度かぴょんぴょんと跳ねてみました。
風はゆっくりと流れて、
時間もゆっくり進んでいるような気がします。
「これで、いいかも」
男の子は、そう思いました。
空を飛んで、
雲にものって、
やりたかったことは、ちゃんとできました。
満足したその瞬間、
景色が少しずつぼやけていきます。
ああ、夢が終わるんだ。
そう思ったときには、もう遅くて、
男の子はゆっくりと目を覚ましました。
朝の光の中で、
さっきまでいた雲の感触を、
少しだけ思い出そうとしました。
でもそれは、すぐに消えてしまって、
代わりに、やさしい余韻だけが残っていました。
また、あの雲にのれる日は来るのでしょうか。
男の子は少しだけ楽しみにしながら、
新しい一日を始めました。
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