前回の夢の続き。
背中にのった龍を呼び出そうとしたはずなのに、
現れたのは――小さな、ちびっ子の龍だった。
少し拍子抜けしたけれど、その龍は確かに力を持っていた。
ふわりと空気が揺れ、やわらかな風が男の子のまわりを包み込む。
「風の力を貸してあげるよ」
そう言われても、男の子には使い方がわからなかった。
「風の力って、どうやって使うの?」
ちびっ子龍は、当たり前のように答えた。
「龍はね、風を掴めるんだよ。風を掴んで、空を飛んでるの」
まるで秘密を教えるように、少し得意げに続ける。
「だから、ただ風を掴めばいいよ。でもね――そのままだと浮いちゃうから、相手に投げるといい」
風を、掴む。
見えないものを掴むなんて、不思議な感覚だった。
でも夢の中では、それが当たり前のようにできた。
手のひらに、確かに何かがある。
その瞬間だった。
地底人のひとりが、ゆっくりとこちらへ近づいてきた。
足音が、妙に重く響く。
考えるより先に、男の子は動いていた。
掴んだ風を――そのまま投げた。
次の瞬間、空気が弾けた。
見えない衝撃が一直線に走り、地底人にぶつかる。
その体は軽々と吹き飛び、遠くの岩壁へ叩きつけられた。
静まり返る空間。
それを見た他の地底人たちは、驚いたように顔を見合わせる。
ざわざわと、空気が揺れる。
そのときだった。
奥の暗闇から、ひとりの女性が現れた。
不思議な存在だった。
美しい――けれど、どこか現実の人間とは違う。
よく見ると、その姿はわずかに揺らいでいる。
まるで光でできているかのように、透けるような存在。
ホログラムのような、AIのような美女だった。
彼女は静かに歩み寄り、深く頭を下げた。
「龍族の方とは知らずに、本当に申し訳ありませんでした」
その言葉に、男の子は戸惑う。
自分はただの普通の男の子のはずなのに――
そうか、風の力、ちびっ子龍のことか。
風が、また静かに揺れる。
ちびっ子龍は何も言わず、ただそばにいた。
そして――
まだ、夢は終わらない。
この先にも、何かが続いているような気がした。
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