2026年3月10日火曜日

男の子とサインペン

教室の片隅で、男の子は一心不乱に何かを書いていた。
手には青いサインペン。ノートの上を走るその線は、まるで小さな冒険の道のようだった。

「何を書いているの?」
隣に座った友達が声をかけると、男の子は少し驚いた顔をして、でもすぐに笑った。

「秘密の地図なんだ」
彼のノートには、学校の廊下や教室の机、時々外の景色まで、細かく描かれた小さな世界が広がっていた。
青い線は川になり、点々は冒険の目印。小さなサインペン一つで、男の子の想像はどこまでも遠くまで伸びていった。

ページをめくるたび、友達も少しずつその世界に入り込む。
「ここに隠れ家を作ろう」「あ、この道は森につながるんだ」
二人の声が小さな秘密の冒険に重なり、教室は静かだけど、どこかワクワクする空気に包まれた。

放課後、男の子はペンを閉じた。
「また明日、この世界を続けるんだ」
ノートにはまだ描かれていない空白がたくさんあった。
青いサインペンが次に走るのは、どんな道なのだろう。

本を読むように、ノートをめくるたびに物語は進む。
小さな手と一つのペンで紡がれる世界は、まるで短編小説のように、静かだけど確かに心に残った。

あなたも、たまにはサインペン片手に、誰にも見せない小さな物語を描いてみませんか?
想像の中の冒険は、ページを閉じても心の中でそっと生き続ける。

0 件のコメント:

コメントを投稿