2026年7月30日木曜日

黒猫とテレビ

黒猫とテレビ

夕方、ソファに座ってテレビをつけると、どこからともなく黒猫がやってきて、画面の前にすとんと座り込む。うちの猫はテレビが好きなのか、それとも単に人が集まる場所が好きなのか、いまだによくわからない。

黒猫というと「不吉」だとか「魔女の使い」だとか、昔からいろいろなイメージがつきまとう。けれど実際に暮らしてみると、そんな話とはまるで無縁の、のんびりした毛玉のような存在だ。夜になると黒い毛がほとんど部屋の暗がりに溶け込んで、目だけが光って見える瞬間があり、それはそれでちょっとした見ものではある。

テレビの内容にはあまり興味がないようで、画面の光や動きに反応しているだけなのかもしれない。バラエティ番組で笑い声が響くと、耳がぴくりと動く。ニュースのキャスターが淡々と話しているときは、まぶたが少しずつ落ちていく。まるで人間の生活のリズムに合わせて、自分の一日を組み立てているようにも見える。

ふと気づくと、テレビよりも黒猫を眺めている時間の方が長くなっていることがある。画面の中では世界のあちこちで色々なことが起きているはずなのに、目の前でのんびり丸くなっている小さな生き物の方が、なんだか気になってしまう。忙しない日常の中で、こういう何でもない時間が地味に心を落ち着かせてくれるのかもしれない。

黒猫とテレビ、組み合わせとしては特に珍しいものではないけれど、その何気ない光景の中に、意外と大事な「ひと休み」が隠れている気がする一日だった。


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