2026年8月19日水曜日

メロンが食べたい猫のマンチカン

メロンが食べたい猫のマンチカン

短い脚をちょこちょこと動かしながら、マンチカンのモモは台所の入り口で立ち止まった。

床に鼻をつけて、くんくんと匂いを嗅ぐ。今朝、飼い主が切り分けていたあの甘い香り——メロンだ。冷蔵庫の中にしまわれたのを、モモはちゃんと見ていた。

「にゃあ」

小さく鳴いてみたけれど、返事はない。飼い主はリビングでテレビを見ながら、うたた寝をしているようだった。

モモは短い足で踏ん張りながら、冷蔵庫の前まで進んだ。もちろん、あの銀色の扉を開けられるはずもない。それでも諦めきれず、扉に鼻を押しつけて、しばらくじっとしていた。冷たい金属の匂いの奥に、まだかすかにメロンの香りが残っている気がした。

ふと、テーブルの上に目をやると、飼い主が切り分けたあとの皮が、お皿にのったまま置かれているのに気づいた。皮にはまだ、うっすらと果肉が残っている。

モモは椅子によじ登り、そっとテーブルの端に前足をかけた。短い脚では届きそうで届かない。それでも精一杯背伸びをして、鼻先をお皿に近づける。

甘い匂いがふわりと鼻をくすぐった瞬間、モモの尻尾がぴんと立った。夢中で皮に鼻を押しつけ、残った果肉をペロペロと舐め始める。

その物音で、うたた寝していた飼い主が目を覚ました。

「モモ、こら、メロン食べちゃだめだよ」

慌てて駆け寧ってきた飼い主に抱き上げられ、モモは名残惜しそうに皮を見つめた。それでも飼い主は苦笑いしながら、小さく切ったメロンの果肉を少しだけ、モモ専用の小皿にのせてくれた。

短い脚でぴょんと着地したモモは、小皿に一直線。夢中で頬張るその姿は、まるで世界で一番のごちそうを味わっているようだった。

窓の外では、夏の日差しがやわらかく差し込んでいる。満足げに小皿を舐め尽くしたモモは、丸くなって日向でひと眠り。きっと夢の中でも、甘いメロンを追いかけているに違いない。


ここまで読んでくれて、ありがとうございます

PR
コータのAmazonページへ

よろしければ、
のぞいてみてください


0 件のコメント:

コメントを投稿