2026年9月15日火曜日

リモコンとマンチカンという猫

リモコンとマンチカンという猫

テーブルの上に置かれたリモコンが、今日も静かに主人を待っていた。

マンチカンのコロは、短い脚をふんばりながらソファの上に飛び乗ると、まずリモコンの匂いを確かめるようにそっと鼻を近づけた。人間がいつも真剣な顔で握っているこの黒い箱には、何か特別な力があるらしい——コロはそう信じていた。ボタンを押すたびにテレビの中の景色が変わるのだから、無理もない。

前足でちょんと押してみる。テレビの音量が急に大きくなり、コロは驚いて耳をぺたんと伏せた。それでも気を取り直し、もう一度別のボタンに手を伸ばす。今度は画面が真っ暗になった。コロはしばらくじっと画面を見つめ、まるで「戻せ」と言いたげにリモコンをじっと睨んだ。

そのうち、コロはリモコンをくわえて部屋の隅まで運んでいった。まるで狩りで捕らえた獲物を巣に持ち帰るかのように。クッションの下に半分だけ隠すと、満足げに丸くなって前足を舐め始める。

夕方、帰ってきた主人が「あれ、リモコンどこいった」とつぶやきながら部屋を探し回る声が聞こえた。コロはクッションの上でぴくりと耳を動かしたが、寝たふりを続けることにした。今日の秘密は、しばらく自分だけのものにしておきたかったから。

短い脚で歩くたびにふらふらと揺れる後ろ姿と、何でも一度は確かめてみたくなる好奇心——それがコロという、マンチカンの日常だった。


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