短い脚を交互に運びながら、その背中は少しも急いでいない。丸みを帯びた小さな体に、夕方の光が斜めに差し込んでいた。
道の先には特に目的地があるわけではないらしい。時々立ち止まり、風に揺れる草の匂いを確かめては、また歩き出す。振り返ることはない。ただまっすぐに、自分の速さで進んでいく。
後ろ姿というのは不思議なものだ。表情は見えないのに、その足取りだけで気持ちが伝わってくる。今日は機嫌がいいらしい。尻尾はまっすぐ立ち、時折ゆっくりと左右に揺れている。
道端の小石を一つ、鼻先でつついてみる。特に興味を持ったわけでもなさそうで、すぐにまた歩き出した。低い位置から見る世界は、きっと自分たちが思うよりずっと広い。アスファルトの割れ目も、伸びた雑草の影も、すべてが小さな冒険の舞台になる。
しばらく歩くと、日が傾いて長い影ができていた。短い脚のマンチカンの影は、体の大きさに見合わず随分と長く伸びていて、まるで別の生き物のように地面に横たわっている。
その後ろ姿を見送りながら、思う。急がず、振り返らず、ただ自分のペースで歩いていくこと。それだけで、こんなにも絵になるのだと。
やがて角を曲がり、姿は見えなくなった。残されたのは、夕焼けに染まる道と、微かに残る小さな足跡だけだった。
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