2026年9月22日火曜日
秋晴れの日の公園のベンチと黒猫
澄み切った秋晴れの空の下、公園のベンチには柔らかな陽だまりが落ちていた。
風はどこかひんやりとしていて、それでいて木々の匂いを優しく運んでくる。ベンチの木目には長い年月の跡が刻まれ、座る人の重みを静かに受け止めてきたことを物語っていた。
そのベンチの端に、一匹の黒猫がちょこんと座っていた。艶やかな黒い毛並みが陽の光を受けてつやつやと輝き、まるで秋の空気そのものを纏っているかのようだった。
黒猫は目を細め、遠くを見つめている。視線の先には、色づき始めた木々と、青く高い空が広がっていた。時折、風に舞う枯れ葉がベンチの下を転がっていくと、黒猫はそちらへちらりと目を向けるが、追いかけようとはせず、またすぐに静かな表情に戻る。
近くを歩いていた老人が、ベンチの空いた場所にそっと腰を下ろした。黒猫は一瞬だけ耳を動かしたが、逃げる様子はなく、むしろ少しだけ体を寄せるようにして眠たげに目を閉じた。老人も何も言わず、ただその温もりを隣に感じながら、秋の日差しに目を細めている。
公園には子どもたちの笑い声が遠くから聞こえてきたが、それすらもこの場所の静けさを壊すことはなかった。むしろ、その賑やかさが遠くにあることで、ベンチの上の穏やかな時間がより際立って感じられた。
黒猫はやがて、丸くなって眠り始めた。日差しはゆっくりと角度を変えながら、いつまでもその小さな体を優しく包み続けていた。
秋晴れの空、木漏れ日の揺れるベンチ、そしてそこに寄り添う一匹の黒猫。それはただの風景でありながら、見る者の心にそっと安らぎを届けてくれる、そんなひとときだった。
ここまで読んでくれて、ありがとうございます
PR
コータのAmazonページへ
よろしければ、
のぞいてみてください
登録:
コメントの投稿 (Atom)

0 件のコメント:
コメントを投稿